*本会の会員は会則により以下のようになっております。
『この会の会員は次の①、②をともに満たすものとする
① 卒業後 3 年目以上、10 年目以内の医師、もしくは家庭医療後期研修プログラム開始後8 年以内の医師であること。
② 日本プライマリ・ケア連合学会員であること。』

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2017年1月30日月曜日

表題翻訳プロジェクトAmerican Family Physician2016年5月1日号(内堀善有)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。

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●雑誌名:American Family Physician ; 2016年5月1日号
 翻訳者:内堀 善有
Articles
◎英語題名:Nonoperative Management of Cervical Radiculopathy
◎翻訳題名:頸椎症性神経根症の手術によらないマネジメント
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175952


◎一言コメント:頸椎症性神経根症は、度々、 頸椎の神経根の圧迫または刺激に続発する頸部痛を伴う一側もしく は両側上肢痛を呈する。運動、感覚、 または反射障害を伴うことがあり、50〜 54歳の人でよく認められる。頸椎症性神経根症は、多くの場合、 頸椎の変性疾患に起因する。最も一般的な診察所見は、 頸部の動作時の痛みと筋痙攣である。深部腱反射、 特に三頭筋の腱反射低下は、最も一般的な神経学的所見である。 Spurlingテスト、肩の外転テスト、上肢の張力テストは、 診断を確定するために用いられる。画像検査は、外傷、 症状が持続する病歴があるか、悪性腫瘍、骨髄疾患、 または膿瘍などのレッドフラッグがないかぎり、 必要とはされていない。 診断が明らかであれば電気診断検査は必要ないが、 上肢の末梢神経障害がおそらく別の診断である時には、 臨床的有用性がある。たいていのケースでは、 治療の種類に関わらず、解決するであろうことを伝えて、 患者には、安心させるべきである。
非手術療法には、非ステロイド性抗炎症薬、 筋弛緩薬およびマッサージと同様に、筋強化訓練、ストレッチ、 もしかすると牽引などの物理療法が含まれる。
硬膜外ステロイド注射は有用かもしれないが、 重篤な合併症のリスクが高い。レッドフラッグがある患者や4〜 6週間の治療後にも症状が持続する患者においては、MRIは、 硬膜外ステロイド注射または外科手術に適した病状を同定すること ができる
◎英語題名:Top 20 Research Studies of 2015 for Primary Care Physicians
◎翻訳題名: プライマリケア医の2015年のトップ20のリサーチスタディ
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175953
◎一言コメント:2015年には、 エビデンスに基づいたプラクティスを専門とするプライマリケア医 のグループが、110以上の英文紙を毎月、サーベイランスした。 彼らは、251の研究が、プライマリケアの問題に取り組み、 もし有効(患者志向の重要なエビデンス(POEM))であれば、 プラクティスを変える潜在力があると確認した。
各々の調査は、 POEMの臨床的関連性と実際のプラクティスで期待する利益を評 価するための有効なツールを使用する選択肢を持つカナダ医師会の メンバーを含め、電子メールで加入者に批判的に評価され、 伝えられた。
この年次シリーズの第5回目の記事であるこの記事では、 家庭医にとって最も臨床的関連性が高いと判断された独自の研究調 査に基づいて、20のPOEMを要約している。
主な提言には、以下のものが含まれる。
バックアップ喉培養の必要性に異議を唱えること:
急性腰痛患者にすぐに画像検査を行うことを避けることやナプロキ センにシクロベンザプリンやオキシコドンを追加しないこと;
慢性または再発性の腰痛患者に歩行を促すこと:
他の研究では、以下のことが示されている。
8週間以上にわたってニコチンパッチを使用することは、 ほとんど利益がないこと;
運動は、 転倒による傷害のリスクの高い高齢女性の転倒を防ぐことができる こと;
前立腺癌のスクリーニングは、小さなメリットはあるが、 スクリーニングや関連するフォローアップ治療の潜在的な有害性の 方が上回っていること;
さらに高い評価を受けた研究によれば、 低血糖症を犠牲にして厳しい血糖コントロールをしても、 2型糖尿病患者の心臓血管系の利益がわずかしか得られない。
軽度の高血圧を治療しても、 脳卒中および全原因死亡率を少ししか減らせない。
滅菌手袋は、ちょっとした複雑ではない皮膚処置には必要でない。
閉経に関連した血管運動症状は、平均して7.4年間続く
3つのレジメンが、 ヘリコバクターピロリ感染に対する最良の除菌率を提供することが 示されている。
◎英語題名:Primary Care of the Prostate Cancer Survivor
◎翻訳題名: 前立腺癌サバイバーのプライマリケア
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175954
◎一言コメント: 米国癌学会前立腺サバイバーケアガイドラインのこのサマリは、 サブスペシャリテイとして前立腺癌サバイバーのケアを行っている プライマリケア医を対象としている。前立腺のサバイバーは、6〜 12ヵ月ごとに前立腺特異抗原(PSA)スクリーニングを受け、 毎年デジタル直腸検査を受けるべきである。
前立腺癌を待機的に様子観察となっている患者のサーベイランスは 、サブスペシャリストによって実施されるべきである。
どんな血尿でも直腸出血でも、 徹底的に評価されなければならない。
前立腺癌サバイバーは、 尿失禁および性機能不全のスクリーニングを定期的にされるべきで ある。
外科的治療や放射線治療後に起こることがある顕著な切迫性尿失禁 を伴う患者は、抗コリン薬の恩恵を受けるかもしれない。
もし、膀胱内に残尿がある場合は、 α拮抗薬を考慮してもよいかもしれない。
ホスホジエステラーゼ5型阻害剤は、 前立腺癌の治療後の性機能障害を有効である。
骨粗鬆症のスクリーニングは、 アンドロゲン抑制療法を開始するに行うべきで、 アンドロゲン抑制療法を受けている患者には、貧血、 メタボリックシンドローム、 および血管運動神経症状をモニターするべきである。
体重管理、定期的な身体活動、適切な栄養、 および禁煙を含む健康的なライフスタイルの選択は、 けっとうされるべきである。プライマリケア医は、 前立腺癌サバイバーの中で、 患者の家族やパートナーに対するこの苦痛の潜在的な影響と同様に 、うつ病を含む心理社会的苦痛に注意すべきである。
Editorials:
◎英語題名:Introducing a One-Page Adult Preventive Health Care Schedule: USPSTF Recommendations at a Glance
◎翻訳題名: 1ページで成人の予防的ヘルスケアスケジュールを紹介する: 一目でわかるUSPSTFの推奨
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175949
◎一言コメント:
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は、 プライマリケア、予防、 およびエビデンスに基づくプラクティスにおける専門家からなる独 立した自主的なパネルである。2016年4月現在、 USPSTFには、 80以上の活発なトピックに関する推奨声明があり、 その大部分は米国家庭医師会によって承認されている. そのプロセスは、 エビデンスベースのプラクティスのガイドラインの開発モデルとし て医学研究所によって承認されている。
しかしながら、ガイドラインを実施するには、知識、時間、保険、 社会的障壁などの多くの障壁が存在する。
例えば、 USPSTFの結腸直腸癌スクリーニングコンポーネントの知識は 、1〜3年目のレジデントでは、22%〜53%の範囲であった。 疾病対策予防センター(CDC)からのある最近の調査から、 卵巣癌と結腸直腸癌のスクリーニング検査の価値に関する医師の知 識に大きなギャップがあることが分かった。
別の調査では、子宮頸癌スクリーニングが余りに早く開始され、 それを必要以上に長く続けて、 推奨されている3年ごとよりむしろ毎年施行するようなUSPST F勧告への重大な不一致が認められた。
さらに、行動カウンセリングの推奨事項(例えば、 禁煙に関するカウンセリング)は、しばしば実施されていない。
ガイドラインの推奨と実際のプラクティスとの間のこのギャップは 、マンモグラフィー、乳癌の化学的予防、 BRCA遺伝子変異のスクリーニング、 およびB型およびC型肝炎ウイルス感染のスクリーニングの推奨と 同様に、推奨がより複雑になったり、年齢によって異なったり、 リスクアセスメントがますます必要となったりすると悪化する。
現在、 医師が推奨を理解して実施するのに役立ついくつかのリソースがある。
以降、リソースの紹介。本文の後に、推奨スケジュールの表が、 続いている。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

2017年1月16日月曜日

専攻医・若手医師キックオフ・フォーラム お知らせ

冬期セミナーに参加される若手医師、医学生の皆様にお知らせです。

ワークショップがすべて終わった212()12時より1間の予定で「専攻医・若手医師キックオフ・フォーラム」を行います。

昨年、組織改変された「若手医師部門」と新設立された「専攻医部会」の今後の活動方針やこれまでの活動内容を共有し、短時間ではありますが質疑の時間を設けます。

日本にプライマリ・ケアの学問や教育を根付かせるためには、まだまだ僕ら若手が現場で根気よく実践していく必要があります。少しお腹が減る時間帯かもしれませんが、医学生や初期研修医の方から専攻医、若手医師の皆様まで多くの方のご参加をお待ちしております!

尚、ワークショップとは異なり、特に事前の申し込みは必要ありません。
よろしくお願い申し上げます。