*本会の会員は会則により以下のようになっております。
『この会の会員は次の①、②をともに満たすものとする
① 卒業後 3 年目以上、10 年目以内の医師、もしくは家庭医療後期研修プログラム開始後8 年以内の医師であること。
② 日本プライマリ・ケア連合学会員であること。』

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2017年8月29日火曜日

家庭医療学夏期セミナー国際交流セッションの報告

こんにちは。
先日の夏期セミナーにおいて行われた国際キャリア支援委員会主催の「国際交流セッション」のご報告を頂きました。写真と共に共有させて頂きます。

幅広い視野を持って活躍する家庭医を目指す学生が増えてくれたらと願います。

*******以下引用**********

家庭医療学夏期セミナー国際交流セッションの報告

福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座
只見町国保朝日診療所
 森 冬人 

第29回家庭医療学夏期セミナーにて、昨年も好評だったJPCA(日本プライマリ・ケア連合学会)国際キャリア支援委員会主催の国際交流セッションを開催しました。日韓、日英交換留学経験者を中心とした講師と、27名の学生が参加し、韓国と英国のプライマリ・ケアについて学び、日本の医療制度について議論をしました。
 日本ではまだ知名度の低い家庭医ですが、韓国では医師のキャリアとして確立し、国民にも広く認知されてきたことは、学生には驚きだったようです。また、英国のプライマリ・ケアについて交換留学経験者からの発表と英国家庭医からのビデオメッセージを用いて学びました。学生の頃から家庭医療の実習が長期間あること、ナースプラクティショナーの仕事の内容など、医学生だけではなく看護学生にも興味を持ってもらえました。英国家庭医から、家庭医としての仕事のやりがいや面白さを伝えられたことも印象的でした。さらにJPCAやWONCA(世界家庭医機構)が実施している国際交流の取り組みについても紹介しました。
多くの学生は世界の家庭医療に興味を持っていても、具体的に学ぶ機会は限られていることを実感しました。今後も学生が世界の家庭医療を知る機会を提供したいと思います。

2017年7月23日日曜日

表題翻訳プロジェクト American family physician 2017年3月15日号(佐々木隆史)


海外家庭医療雑誌表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
雑誌名:American Family Physician 2017315日号
翻訳者
 こうせい駅前診療所 佐々木隆史

◎英語題名:End-of-Life Care: Managing Common Symptoms 
◎翻訳題名:終末期のケア:一般的症状のマネジメント
◎一言コメント Evidence rating B:オピオイドを呼吸困難に使用すべき。 コルチコステロイドをがんによる消化管通過障害に使用すべき( サンドスタチンは限定的な効果)。Evidence rating C:リスペリドンとハロペリドールは、終末期のせん妄に効果的である。アトロピン点眼薬は、口腔気道分泌液を抑えることが出来る。
B = inconsistent or limitedquality patient-oriented evidence; C = consensus, disease-oriented evidence, usual practice, expert opinion, or case series.


◎英語題名:Preterm Labor: Prevention and Management 
◎翻訳題名:切迫早産:予防と管理
◎一言コメント  Evidence rating A:初めての妊娠および自然早産の既往のある女性において、プロゲステロン補充を妊娠1624週に始め、妊娠34週まで継続する。妊娠2434週の切迫早産例において、 新生児転帰を改善するための唯一の方法は、コルチコステロイド( ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)である。 プロスタグランジン阻害剤やカルシウムチャネル遮断薬などの子宮 収縮抑制薬を使うと、 出生時にコルチコステロイドや硫酸マグネシウムを投与できるよう になり、 出産時間を延ばして新生児集中治療室を持つ第三施設に移すことが できるようになる。
A = consistent, good-quality patient-oriented evidence

◎英語題名:Multiple Myeloma: Diagnosis and Treatment 
◎翻訳題名:多発性骨髄腫:診断と治療
◎一言コメント アメリカではすべての癌の1.6%、血液癌の10%を占める。患者は骨痛や、吐き気、嘔吐、だるさ、倦怠感、体重減少などの特異的な症状を訴えることが多い。診断は、骨髄中の未成熟、異常、または異型形質細胞の増加血清または尿中のモノクローナルタンパクまたは特徴的な骨病変でされるが、疑わしい時は、分画を含めた血球分析や乳酸脱水素酵素、クレアチニン、βミクログロブリン、免疫グロブリンの分画、骨のレントゲン骨髄検査を行うべきである。家庭医は、感染、治療の副作用、腎障害および血栓症、痛み、栄養および心理社会的面を評価するべきである。


<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

以上

表題翻訳プロジェクト American family physician 2017年4月15日号(本郷舞依)

海外家庭医療雑誌表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
雑誌名:American Family Physician 2017415日号
翻訳:みちのく総合診療医学センター 坂総合病院 総合診療科 本郷舞依
Articles
◎英語題名:Severe Asymptomatic Hypertension: Evaluation and Treatment
◎翻訳題名:重度無症候性高血圧:評価と治療
◎一言コメント:血圧の積極的な低下は避けるべきで、非経口薬の使用は示されていない。現在の推奨事項は、数日から数週間にわたって徐々に血圧を下げることである。

◎英語題名:Peritonsillar Abscess
◎翻訳題名:扁桃周囲膿瘍
◎一言コメント:膿瘍ドレナージ、抗菌薬投与、水分補給、疼痛管理といった支持療法が治療の基盤である。ほとんどの患者は外来で治療可能でA群連鎖球菌および口腔嫌気性菌に対して有効な抗菌薬が第一選択である。コルチコステロイドは、症状緩和と早期回復に役立つかもしれない。

◎英語題名:Zika Virus: Common Questions and Answers
◎翻訳題名:ジカウイルス:よくある質問と回答
◎一言コメント:妊娠中のジカウイルス感染は、小頭症および他の重度の脳異常の原因である。このウイルスは、主に感染した蚊の刺咬によって感染するが、他に性交渉、妊娠中の母子感染、分娩時の母子感染、実験室での曝露、輸血も含まれる。ほとんどの人は無症状もしくは軽症である。治療は対症療法で、現在ワクチンはない。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

以上

2017年7月8日土曜日

韓国家庭医受け入れ報告3


今回で留学生受け入れ報告シリーズは最終回です。
ご報告頂いた皆様、お読み頂いた皆様、ありがとうございました。

若手医師部門 国際交流チーム
チーム加入フォーム:https://goo.gl/forms/FFRTrpSlmQ20Ucmk1


********
韓国家庭医を奈良に迎えて
大福診療所 朝倉健太郎


 JPCAを通じた奈良への海外家庭医来訪は、今年で3度目になります.多忙な日常診療の中で海外から家庭医を受け入れることは、大変刺激的なチャンスである一方、敷居が高いと感じられるかもしれません.大福診療所だけでは難しい海外家庭医受け入れですが、幸いALL for NARA の取り組みの一つとして奈良県立医科大学総合医療学教室、天理よろづ相談所病院、大和高田市立病院との協力のもと受け入れに関わらせていただくことができました.
 英国より来訪したDr. Hamish、Dr. Katrinaに引き続き、今年は韓国からDr. Kim Soojinをお迎えいたしました.例年、スタッフ一同、英語でのコミュニケーションにやや身構えるのですが、Dr. Soojinは高校生時代を日本で過ごしたこともあり、大変流暢に日本語を話されました.こちら側としては、若干、気が抜けた感じもあったのですが、彼女の日本への思いと豊富な知識のおかげで、例年になく深いディスカッションをすることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました.学術大会のシンポジウムでは、天理よろづ相談所病医院や奈良県立医科大学などセッティングを違えた総合診療に触れていただく中で、彼女自身も学びが多かったと発表してくれました.同じアジア圏の隣国として抱える課題は共通しており、また重視される価値観もその多くが重なっていると感じることができました.一方で、「国ごとの事情」は多くのpracticeを制限することにつながることを感じました.日本の持つ大きな課題と考えていた高齢者医療や在宅医療ですが、日本の現状はむしろ恵まれている点も少なくないと気づきました.自分たちの外の枠組みから見てはじめて認識できることもあるといいますが、まさにそのような体験でした.世界的な視野を広げることの重要性は言うまでもありませんが、それを再認識することこの上ない1週間を過ごすことができました.

 今後、ますますアジアの国々の連携は欠かせなくなり、ノウハウを共有しつつ、諸問題に協力して対峙していくことが求められていくと思います.国際交流がその礎の一つになっていけばと願います.ご協力いただきましたみなさま、本当にありがとうございました.

2017年7月1日土曜日

韓国家庭医の受け入れ報告2

韓国家庭医の受け入れ報告の2件目を頂きました。
写真と共に楽しんで頂けますと幸いです。

若手医師部門 国際交流チーム 

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留学生の受け入れについて

私の所属している家庭医療学開発センター(CFMD)・東京で韓国からの交換留学生Yi Ga-He先生を3日間受け入れました。スケジュールとしては
510日:日本着
511日:レジデントデイに参加、その後懇親会
512日:午前中外来見学→午後羽田から高松へ
という感じで非常にタイトなスケジュールでした。
レジデントデイはCFMDの後期研修医が振り返りをし、ある人は英語でプレゼンし、ある人は私がなんとか英語に翻訳しながらという感じで行いました。また、Ga-He先生から韓国のプライマリ・ケアについてプレゼンして貰いました。懇親会ではしゃぶしゃぶ食べ放題を楽しみながら、韓国の話を聞きました。
12日の午前中は外来見学、患者さんを呼び入れる合間に次の患者さんがどんな人かを説明し、終了後に診察の内容を説明するという形で行いました。終了後に聞いたところmultimorbidityや高齢者など非常に韓国と似ているということでした。
非常に短い間ですが、韓国の医療と日本の医療の似ている所・違う所、後期研修や専門医取得のシステムの違いなど話し合うことが出来ました。後期研修医も普段接することが少ない他国のプライマリ・ケア医と話すことが出来てとても刺激になっていました。今後もぜひ色々な国のプライマリ・ケア医と交流をしていきたいと思ってます。

2017年6月30日金曜日

英国家庭医受け入れ報告2

2つ目の英国家庭医の受け入れ報告を頂きました。
写真と共に楽しんで頂けますと幸いです。

若手医師部門 国際交流チーム 
*******
熊本で受け入れましたDr Rose Nearyの研修内容の概略と写真を添付させていただきます。

5月15日:
・公立玉名中央病院 病院長と面談、総合診療科診療見学、専攻医の教育風景見学
5月16日:
・総合診療の研修機関で専攻医もいる安成医院の診療見学、所在自治体の保健課視察
・専攻医にむけてイギリスの医療制度・専門研修について講演(参加者、教員7名、専攻医3名)
5月17日:
・熊本被災地 益城町視察(益城町復興課/熊本大学政策創造研究教育センター 円山琢也先生案内)、熊本城視察(熊本大学医学部附属病院 高柳宏史先生案内)
・熊本大学医学生・初期研修医にむけてイギリスの医療制度・GPの役割・女性医師への社会的支援体制などについて講演(参加者 医学生・初期研修医・教員等 40名)講演後、福岡へ移動
 と非常に盛沢山な3日間になりました。

 学生・初期研修医・専攻医・教員や、町職員まで良い意味で刺激をいただきました。熊本で、General Practitionerの講演会はおそらく初めてで、教員も含めて非常にイギリスにおける医療制度を理解するのによい機会となりました。Dr Nearyも大変熊本を楽しんでいただけたようでした。
 
 以上簡単ですが、報告させていただきます。


2017年6月25日日曜日

韓国家庭医受け入れ報告1

英国家庭医の受け入れ報告に引き続き、韓国家庭医の受け入れのご報告も頂きました。
若手医師部門 国際交流チーム 
*******
Park先生をお迎えして
National Cancer Centerホスピス/緩和ケア科フェローのSo Jung Park先生が日韓プライマリ・ケア交換留学プログラムを通じて亀田ファミリークリニック館山のいらっしゃいました。
1日は訪問診療に同行して、慢性疾患や癌で自宅療養されている方を見学していただき、1日は外来で様々な家庭医の外来診療を見学していただきました。
日本語で話す在宅患者さんと英語でやり取りしているのになぜか通じ合ってしまうPark先生のコミュニケーション力の高さが印象的でした。
亀田総合病院の緩和ケア科にも訪問していただき、緩和ケアチームの多職種との交流を通して日本の緩和ケアの現状についても学びを得ていただきました。
それぞれの文化や現状の違いを感じるとともに共通点にも気付き、我々に多くの学びや刺激をもたらしてくださいました。
今後一層日韓交流が深化する事を確信しております。
ご協力いただきました関係各位にこの場を借りて深く御礼申し上げます。
ありがとうございました。

2017年6月24日土曜日

英国家庭医の受け入れ施設からのご報告1

皆様へ

こんにちは。
若手医師部門の阿部計大と申します。
毎年日英・日韓プライマリ・ケア交換留学プログラムが行われておりますが、今回は英国と韓国の家庭医を受け入れた先生方から、それぞれご感想とご報告を頂きました。何回かに分けてご紹介させて頂きますので、写真と共にお楽しみいただけたらと存じます。
1回目は英国家庭医を受け入れられた宮崎大学からのご報告です。

************
レカ先生を受け入れて

宮崎大学地域医療・総合診療医学講座の吉村です。今回英国のレカ先生を1週間受け入れることできて大変嬉しく思います。当講座の家庭医療専攻医のお二人に関わってみての感想を書いてもらいましたの紹介します。

専攻医一年目楠元京子医師(串間市民病院総合診療科)
「今回、初めてこのような企画に関わらせて頂きましたが、レカ先生が私と同じように研修プログラムを始めたばかりだったのでお互い楽しく情報交換させていただきました。病院では一緒に外来の患者さんを診て突然の血小板数低下の原因や今後のフォローについてdiscussionしたり、大納診療所に行き膝が痛いおばあちゃんを一緒に診察したり、その帰りがけに恋ヶ浦で写真を取ったりしました。2日は私の家にホームステイで私の母や子供たちとも楽しく話してくれていました。また一泊はダグリ温泉に泊まっていただきましたが温泉はもともと大好きだったらしく大変喜んでくれました。日本PC連合学会でも再会できて彼女の発表も見れましたし、同じ研修一年目として、お互いいいGPになろうね、とあつくハグしてお別れしてまいりました^_^
忙しかったですが楽しかったし、将来の為にもなるかもしれないいい繋がりができたと思います。本当にありがとうございました。」


専攻医三年目三浦拓医師(チーフレジデント:串間市民病院総合診療科)
「今回で英国医師3人目の受け入れとなり、全員にそれなりに関わってきましたが、今回は串間市民病院だけで受け入れるということでいろいろ研修内容というものを考えさせられたと思います。レクチャーに診察・往診陪席にカンファレンスと事前には色々考えていても、 当日の時間ズレや想定ズレで臨機応変さが求められました。 個人的には日英の制度面での相違を特に持ち帰ってほしいと考えて、色々説明しましたが、強い興味を持っていただけて、特に労働としての研修について彼我のあまりに大きな隔たりに驚いていらっしゃいました(どういう隔たりかは想像にお任せします)。私に付いていただいた1日では救急外来から外科、内科、総合診療科外来、内視鏡、 訪問での脳腫瘍患者のリハビリ診察ととても幅広い日常を紹介できたので、かなりインパクトが残せたかなと思います。 日本の総合診療の特徴が英国に知れ渡れば幸いです。」


専攻医二人の感想から、現地での直接の交流がもたらす効果(特にモチベーション)はとても大きいと考えています。また事務の方々や看護師さんをはじめとする病院スタッフの皆様には暖かく見守って研修を盛り上げて頂いて本当に感謝しております。この場を借りて御礼申し上げます。(文責:吉村学)
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2017年6月8日木曜日

【翻訳プロジェクト】表題翻訳プロジェクト American family physician 2076年4月1日号(廣瀬英生)


海外家庭医療雑誌表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

雑誌名:American Family Physician 201741日号
翻訳者 県北西部地域医療センター国保和良診療所 廣瀬英生

◎英語題名:Exercise Prescriptions in Older Adults◎翻訳題名:高齢者に対する運動療法
◎コメント:慢性疾患の管理において活動性や運動は重要なポイン トである。あらゆる運動が静止動作より健康に有益だと考えられている。ガイドラインでは、週に150分以上の中等度の、または7 5分以上の強い強度の有酸素運動、2日以上の筋肉強化活動を勧めている。

◎英語題名:Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Diagnosis and Management
◎翻訳題名:COPDのマネージメント
◎コメント:喫煙歴(Brinkman index 800以上)があり、安静時もしくは労作時に息切れがある方、 慢性咳嗽、喘鳴の既往があるなど問診と身体診察で疑う。 3つの兆候すなわちPeak flow rate350L以下、Brinkman index 600以上、呼吸音の減弱はよい指標となる。すべてがないなら否 定できる指標である。

◎英語題名:Postpartum Hemorrhage: Prevention and Treatment◎翻訳題名:分娩後の出血
◎コメント:妊娠Ⅲ期の積極的な管理をルーチンで行うことが求められる。前在肩甲を分娩した後のオキシトシンが最も重要な点である。ルーチンの会陰切開術は、出血と肛門裂傷をきたすおそれがあるので避けるべきである。4T (子宮弛緩症 (Tone)、裂傷、血腫、逆位、破裂 (Trauma)、組織の遺残や癒着胎盤 (Tissue)、凝固異常症 (Thrombin)に注意するとよい。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

2017年5月20日土曜日

若手医師部門の活動のご報告@第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会高松

皆様へ

高松学術大会、お疲れさまでした。
若手医師部門で企画していた若手医師交流会・二次会・グループインタビューも無事に終わりました。ご参加頂いた皆様ありがとうございました。楽しんでいただけましたでしょうか?

今回の若手医師交流会では、生涯学習と教育、臨床、研究、国際交流、ライフデザイン、医学以外で話したいことという7つのテーマで30分 x 2のワールドカフェを行いました。

生涯学習や教育をテーマにしたグループでは、一人ぼっちで家庭医研修を行っている研修医の悩み多く聴かれました。ライフデザインでは、男性医師が育休を取るときの問題について話が盛り上がりました。また、医学以外で学んでおきたいこととして、社会的な礼儀やマナーの話がでていました。臨床では、専攻医が何をしているのか明確でないことやキャリアモデルが具体的でないことが問題と感じられました。また、他職種との情報共有が非効率的であると感じているという意見もありました。研究では、研究マインドの伝授が大切という意見や、臨床研究を指導できる指導医にアクセスができないことが課題として挙げられました。

学術大会中に若手医師のニーズ調査としてグループインタビューも行いました。
診療所の家庭医、病院の家庭医、病院総合医、自治医卒の4つのグループに行いました。共通する課題も多く、とても刺激的な時間となりました。インタビューにご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。

皆様から挙げられたより詳細な課題は、今後の若手医師部門や専攻医部会の活動の指針となります。これからも若手で日本のプライマリケアを盛り上げて行けたらと思います!



2017年5月9日火曜日

学術集会 若手向けイベント紹介!

いよいよ学術集会が間近に迫ってまいりました。
学術集会での若手医師イベントをお知らせします!!是非ご参考になさって下さい
(抜けていたら教えて下さいませー)
5月13日
インタレストグループ2 10:30~12:00 第5会場
若手医師交流会~専門医部会若手医師部門・専攻医部会コラボ企画(専門医部会若手医師部門企画)
https://www.facebook.com/events/1517930321552903/
ニーズ調査(参加希望者は以下リンクから)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSctKZOdlxOPQySGG3ysXzHQdB76rKqcPZbaPD058j1Cwq2diw/viewform
キャリアカフェ 特番!はっちぼっちステーション
シンポジウム3  8:45~10:15 第13会場
若手医師交換留学プログラムのこれまでとこれから(日英/日韓/ FM360/ RM)(国際キャリア支援委員会企画)
インタレストグループ5  12:15~13:15 第6会場
学生・研修医×わかて医師のつどい @ 高松(医学生・若手医師支援委員会企画)
インタレストグループ6  12:15~13:15 第8会場
医学生・若手医師のキャリア相談に向き合ったときに、『もやもや』することありませんか?(公募企画)
5/13(土) 13:00~14:00
インタレストグループ8  15:00~16:30 第5会場
病院総合医に必要とされるコアコンピテンシーについて
ワークショップ5 8:45~10:15 第8会場
リハビリテーション科医とプライマリケア医コラボ企画 リハ入門
5月14日
シンポジウム17 13:45~15:15 第11会場
支部活動の活性化と地域・社会への貢献(支部支援委員会企画)
インタレストグループ15 13:45~15:15 第5会場
みんなでつくろう!他科研修の “ たかまつ ” アイデア集!~家庭医療後期研修における有意義な他科研修とは~(公募企画)
一般演題(ポスター)47 実践報告③
13:45~14:50 ポスター会場
日本プライマリ・ケア連合学会専門医部会若手医師部門(JF5)活動報告

2017年3月2日木曜日

専攻医・若手医師キックオフフォーラム報告

2月12日に行われました、専攻医・若手医師キックオフフォーラムの報告書が出来上がりました。
<内容>
・藤谷専門医部会若手医師部門幹事よりメッセージ
・大澤専攻医部会代表よりメッセージ
・活動報告:
 クルー100 人プロジェクト紹介:世代ごとコミュニティチーム・地域ごとコミュニティ チーム・病院総合医チーム・海外交流チーム・多科/多職種連携チーム
 若手医師部会公式メ ーリングリスト
 80 大学行脚プロジェクト
 海外家庭医療雑誌 表題翻訳プロジェクト
・専門医部会若手医師部門 今後 方針(幹事 藤谷より)
・専攻医部会 今後 方針(幹事 大澤より)

https://www.dropbox.com/s/e6siy4yzoujoh3m/20170212SR_JF5_kickoff_meeting.pdf?dl=0

2017年2月27日月曜日

表題翻訳プロジェクト American Family Physician 2016年12月1日号(廣瀬英生)


海外家庭医療雑誌表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
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雑誌名:American Family Physician 2016121日号
翻訳者 和良診療所 廣瀬英生

◎英語題名:Hormone therapy and other treatment for symptoms of menopause◎翻訳題名:更年期に対するホルモン等の治療
◎リンクページ:http://www.aafp.org/af p/2016/1201/◎コメント:大規模研究の結果をふまえ、更年期障害に対するホルモン治療の安全性に対しては注意しなくてはいけない。過去においては、ホルモン治療が更年期の症状を緩和するだけではなく、健康や心血管イベントの減少をもたらすといわれていたが、エストロ /プロゲステロン治療は、3年以上使用した場合心血管イベント を増加させるといわれている。それゆえに子宮を切除していない女性については、ホッとフラッシュや萎縮性腟炎に対しては、最少の 用量と期間で行うべきである。エストロゲン治療がホットフラッシュに対しては最も効果的であるが、非ホルモン治療として、パロキセチン (パキシル)、ベンラファキシン (イフェクサー)、ガバペンチンが代替として挙げられる。子宮があり、エストロゲンを投与している女性に関しては、子宮癌のリスクを減少させるためプロゲステロンも内服すべきである。プロゲス テロンの副作用がある方は、エストロゲンと選択的エストロゲンモジュレーターであるbazedoxifeneを使用することを勧める。ヨガ、呼吸法、針、運動、ストレス軽減、リラクゼーション療法などの代替療法に質の高いエビデンスはない大豆製品がホットフラッシュや膣乾燥に聞くというシステマティックレビューがあり、一つの小さい研究では、催眠療法がホットフラッシュを軽減させたとされる。生殖器系の更年期症状がある患者では、膣のエストロゲン、膣の湿潤、ospemifeneが有効であるかもしれない。ホルモン治療の決定は、臨床症状とリスク/ベネフィット両方を考慮して行うべきである。
◎英語題名:Unexplained lymphadenopathy evaluation and differential diagnosis◎翻訳題名:原因不明のリンパ節腫脹
◎リンクページ:http://www.aafp.org/af p/2016/1201/◎コメント:リンパ節腫脹の多くは良性であり自然軽快していく。原因は薬剤、医原性と同時に悪性腫瘍、感染、自己免疫性疾患がある。病歴と身体所見でリンパ節腫脹の原因を特定することもできる 。原因がわからない場合は、まずリンパ節腫脹が限局性なのか全身に広がるものなのかを特定する。全身性のリンパ節腫脹の場合はつ以上の領域にまたがっているか全身性の疾患が背景にある。悪性腫瘍のリスクファクターとしては、40歳以上、男性、白人、鎖骨上に存在すること、発熱、夜間の発汗、体重減少といった全身症状があることである。鎖骨上、膝窩、腸骨領域の5mm以上の触知可能なリンパ節は異常である。抗生剤は片側性の頸部である場合は使用されるかもしれない、とりわけ小児の場合は。ステロイドの効果は限定的である。
◎英語題名:Sexually transmitted infections: recommendations from the US preventive service task force◎翻訳題名:性行為感染症 USPSTFの推奨
◎リンクページ:http://www.aafp.org/af p/2016/1201/◎コメント:USPSTFは予防とスクリーニングについて推奨をだした。それによると性行為が活動的な思春期とリスクが高い成人 に対しては行動のカウンセリングを勧める。また24歳以下で性行動がさかんな女性に対してはクラミジアと淋病のスクリーニングが勧められる。またHIVの検査はリスクにかかわらず15-65では推奨され、リスクが高い集団に対してはその範囲外でも勧められる。リスクが高い人に対しては、B型肝炎と梅毒のスクリーニングが勧められる。すべての妊娠女性で、B型肝炎、HIV梅毒のスクリーニングが推奨され、さらに24歳以下の妊婦では、淋病およびクラミジアも勧められる。無症状の単純ヘルペスのスクリーニングは推奨されない。スクリーニングの間隔に関しては十分なエビ デンスはない。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

以上

2017年2月10日金曜日

冬期セミナー キックオフミーティング 意見箱

冬期セミナーに参加される若手医師、医学生の皆様へ

こんばんは。再度お知らせさせて下さい。

ワークショップがすべて終わった212()12時より1間の予定で「専攻医・若手医師キックオフ・フォーラム」を行います。

昨年、組織改変された「若手医師部門」と新設立された「専攻医部会」の今後の活動方針やこれまでの活動内容を共有し、短時間ではありますが質疑の時間を設けます。ワークショップとは異なり、特に事前の申し込みは必要ありません


尚、当日は受付周辺に「意見箱」を設置()致します!

困っていることや改善してほしいこと、若手医師部門に取り組んでほしいことやこんなことをやりたいというアイデア、学会に提言したいことなど、日々の皆様の考えや意見を教えてもらえると嬉しいです。
よろしくお願い申し上げます。

阿部計大
専門医部会若手医師部門

※若手医師部門の役割の一つに若手医師の意見を集約し、提言を行うことがあります。提言するための場として、専門医部会の会議や、正副理事長と意見交換させて頂く機会を頂いております。しかし、まだ十分には若手医師の意見を集約できてないのが現状です。そこで、冬期セミナーで意見箱の設置を行います。頂いたご意見は今後の活動の参考にさせて頂きます。

2017年1月30日月曜日

表題翻訳プロジェクトAmerican Family Physician2016年5月1日号(内堀善有)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。

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●雑誌名:American Family Physician ; 2016年5月1日号
 翻訳者:内堀 善有
Articles
◎英語題名:Nonoperative Management of Cervical Radiculopathy
◎翻訳題名:頸椎症性神経根症の手術によらないマネジメント
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175952


◎一言コメント:頸椎症性神経根症は、度々、 頸椎の神経根の圧迫または刺激に続発する頸部痛を伴う一側もしく は両側上肢痛を呈する。運動、感覚、 または反射障害を伴うことがあり、50〜 54歳の人でよく認められる。頸椎症性神経根症は、多くの場合、 頸椎の変性疾患に起因する。最も一般的な診察所見は、 頸部の動作時の痛みと筋痙攣である。深部腱反射、 特に三頭筋の腱反射低下は、最も一般的な神経学的所見である。 Spurlingテスト、肩の外転テスト、上肢の張力テストは、 診断を確定するために用いられる。画像検査は、外傷、 症状が持続する病歴があるか、悪性腫瘍、骨髄疾患、 または膿瘍などのレッドフラッグがないかぎり、 必要とはされていない。 診断が明らかであれば電気診断検査は必要ないが、 上肢の末梢神経障害がおそらく別の診断である時には、 臨床的有用性がある。たいていのケースでは、 治療の種類に関わらず、解決するであろうことを伝えて、 患者には、安心させるべきである。
非手術療法には、非ステロイド性抗炎症薬、 筋弛緩薬およびマッサージと同様に、筋強化訓練、ストレッチ、 もしかすると牽引などの物理療法が含まれる。
硬膜外ステロイド注射は有用かもしれないが、 重篤な合併症のリスクが高い。レッドフラッグがある患者や4〜 6週間の治療後にも症状が持続する患者においては、MRIは、 硬膜外ステロイド注射または外科手術に適した病状を同定すること ができる
◎英語題名:Top 20 Research Studies of 2015 for Primary Care Physicians
◎翻訳題名: プライマリケア医の2015年のトップ20のリサーチスタディ
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175953
◎一言コメント:2015年には、 エビデンスに基づいたプラクティスを専門とするプライマリケア医 のグループが、110以上の英文紙を毎月、サーベイランスした。 彼らは、251の研究が、プライマリケアの問題に取り組み、 もし有効(患者志向の重要なエビデンス(POEM))であれば、 プラクティスを変える潜在力があると確認した。
各々の調査は、 POEMの臨床的関連性と実際のプラクティスで期待する利益を評 価するための有効なツールを使用する選択肢を持つカナダ医師会の メンバーを含め、電子メールで加入者に批判的に評価され、 伝えられた。
この年次シリーズの第5回目の記事であるこの記事では、 家庭医にとって最も臨床的関連性が高いと判断された独自の研究調 査に基づいて、20のPOEMを要約している。
主な提言には、以下のものが含まれる。
バックアップ喉培養の必要性に異議を唱えること:
急性腰痛患者にすぐに画像検査を行うことを避けることやナプロキ センにシクロベンザプリンやオキシコドンを追加しないこと;
慢性または再発性の腰痛患者に歩行を促すこと:
他の研究では、以下のことが示されている。
8週間以上にわたってニコチンパッチを使用することは、 ほとんど利益がないこと;
運動は、 転倒による傷害のリスクの高い高齢女性の転倒を防ぐことができる こと;
前立腺癌のスクリーニングは、小さなメリットはあるが、 スクリーニングや関連するフォローアップ治療の潜在的な有害性の 方が上回っていること;
さらに高い評価を受けた研究によれば、 低血糖症を犠牲にして厳しい血糖コントロールをしても、 2型糖尿病患者の心臓血管系の利益がわずかしか得られない。
軽度の高血圧を治療しても、 脳卒中および全原因死亡率を少ししか減らせない。
滅菌手袋は、ちょっとした複雑ではない皮膚処置には必要でない。
閉経に関連した血管運動症状は、平均して7.4年間続く
3つのレジメンが、 ヘリコバクターピロリ感染に対する最良の除菌率を提供することが 示されている。
◎英語題名:Primary Care of the Prostate Cancer Survivor
◎翻訳題名: 前立腺癌サバイバーのプライマリケア
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175954
◎一言コメント: 米国癌学会前立腺サバイバーケアガイドラインのこのサマリは、 サブスペシャリテイとして前立腺癌サバイバーのケアを行っている プライマリケア医を対象としている。前立腺のサバイバーは、6〜 12ヵ月ごとに前立腺特異抗原(PSA)スクリーニングを受け、 毎年デジタル直腸検査を受けるべきである。
前立腺癌を待機的に様子観察となっている患者のサーベイランスは 、サブスペシャリストによって実施されるべきである。
どんな血尿でも直腸出血でも、 徹底的に評価されなければならない。
前立腺癌サバイバーは、 尿失禁および性機能不全のスクリーニングを定期的にされるべきで ある。
外科的治療や放射線治療後に起こることがある顕著な切迫性尿失禁 を伴う患者は、抗コリン薬の恩恵を受けるかもしれない。
もし、膀胱内に残尿がある場合は、 α拮抗薬を考慮してもよいかもしれない。
ホスホジエステラーゼ5型阻害剤は、 前立腺癌の治療後の性機能障害を有効である。
骨粗鬆症のスクリーニングは、 アンドロゲン抑制療法を開始するに行うべきで、 アンドロゲン抑制療法を受けている患者には、貧血、 メタボリックシンドローム、 および血管運動神経症状をモニターするべきである。
体重管理、定期的な身体活動、適切な栄養、 および禁煙を含む健康的なライフスタイルの選択は、 けっとうされるべきである。プライマリケア医は、 前立腺癌サバイバーの中で、 患者の家族やパートナーに対するこの苦痛の潜在的な影響と同様に 、うつ病を含む心理社会的苦痛に注意すべきである。
Editorials:
◎英語題名:Introducing a One-Page Adult Preventive Health Care Schedule: USPSTF Recommendations at a Glance
◎翻訳題名: 1ページで成人の予防的ヘルスケアスケジュールを紹介する: 一目でわかるUSPSTFの推奨
◎リンクページ: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/ pubmed/27175949
◎一言コメント:
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は、 プライマリケア、予防、 およびエビデンスに基づくプラクティスにおける専門家からなる独 立した自主的なパネルである。2016年4月現在、 USPSTFには、 80以上の活発なトピックに関する推奨声明があり、 その大部分は米国家庭医師会によって承認されている. そのプロセスは、 エビデンスベースのプラクティスのガイドラインの開発モデルとし て医学研究所によって承認されている。
しかしながら、ガイドラインを実施するには、知識、時間、保険、 社会的障壁などの多くの障壁が存在する。
例えば、 USPSTFの結腸直腸癌スクリーニングコンポーネントの知識は 、1〜3年目のレジデントでは、22%〜53%の範囲であった。 疾病対策予防センター(CDC)からのある最近の調査から、 卵巣癌と結腸直腸癌のスクリーニング検査の価値に関する医師の知 識に大きなギャップがあることが分かった。
別の調査では、子宮頸癌スクリーニングが余りに早く開始され、 それを必要以上に長く続けて、 推奨されている3年ごとよりむしろ毎年施行するようなUSPST F勧告への重大な不一致が認められた。
さらに、行動カウンセリングの推奨事項(例えば、 禁煙に関するカウンセリング)は、しばしば実施されていない。
ガイドラインの推奨と実際のプラクティスとの間のこのギャップは 、マンモグラフィー、乳癌の化学的予防、 BRCA遺伝子変異のスクリーニング、 およびB型およびC型肝炎ウイルス感染のスクリーニングの推奨と 同様に、推奨がより複雑になったり、年齢によって異なったり、 リスクアセスメントがますます必要となったりすると悪化する。
現在、 医師が推奨を理解して実施するのに役立ついくつかのリソースがある。
以降、リソースの紹介。本文の後に、推奨スケジュールの表が、 続いている。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)