*本会の会員は会則により以下のようになっております。
『この会の会員は次の①、②をともに満たすものとする
① 卒業後 3 年目以上、10 年目以内の医師、もしくは家庭医療後期研修プログラム開始後8 年以内の医師であること。
② 日本プライマリ・ケア連合学会員であること。』

第6期若手医師部会「クルー100人プロジェクト」各チームへ興味のある方はこちらからメーリングリストへご加入ください!
「クルー100人プロジェクト登録フォーム」”こちらは初期研修医から加入可能です!!”
海外チーム・地域ごとコミュニティチーム・病院総合医チーム・世代ごとコミュニティチーム・多科・多職種連携チーム

2016年11月30日水曜日

第12回若手医師のための家庭医療学冬期セミナー受付開始は12月5日から!


 日本プライマリ・ケア連合学会では、家庭医・病院総合医の若手医師に学びの場を提供し、若手医師同士の交流と結束を深める目的で、「第12回若手医師のための家庭医療学冬期セミナー(以下、冬期セミナー)」を、2017年2月11〜12日に 東京大学・本郷キャンパスにおいて開催いたします。
 皆様へ冬期セミナー開催と参加申し込み受付開始についてご案内申し上げます。
 今年度の冬期セミナーは12月5日(月)午前10時よりセミナー参加申し込み受付を開始いたします。
例年、早々に定員に達するワークショップもありますので、お早めにお申し込みください。
[お申し込み先]  http://www.primary-care.or.jp/seminar_w/20170211/ent.html
 若手医師を中心として多くの皆さんに楽しんでいただけるように、様々な企画やワークショップを準備しております。
プログラム等、詳しくはホームページをご確認ください。(本日中にはホームページがフルアップデートされる予定です。)
[ホームページ]  http://www.primary-care.or.jp/seminar_w/20170211/gree.html
 また、facebookページも開設しております。
facebookを利用した企画も準備しておりますので、ぜひご覧ください。
[facebookページ] https://www.facebook.com/wakate12


 皆様のご参加を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

2016年9月20日火曜日

表題翻訳プロジェクト American family physician 2016年6月1日号(廣瀬 英生)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。

マルチポストにて失礼します。

尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  ●雑誌名:American Family Physician;June 1, 2016(翻訳者 廣瀬 英生)



◎英語題名:Diet and physical activity for cardiovascular disease prevention

◎翻訳題名:心血管疾患予防に対する食事及び運動療法

◎リンクページ:

◎一言コメント:USにおいて心血管疾患は最も多い死因である。そのうち1/3が運動や食事療法により予防出来うると考えられる。具体的に地中海食(Mediterranean diet)及びDASH食により心血管死の予防効果が証明されている。多価不飽和脂肪酸摂取による心血管疾患の減少は認められているが、ω3脂肪酸による減少効果は認められていない。観察研究による塩分摂取と心血管疾患の増加は証明されているが、減塩療法による疾患の減少は証明されていない。週に150分以上の中等度以上の有酸素運動は、75分以上の激しい運動と疾患予防の上で同等であるといわれている。もともと運動していない方が、週に2回以上のストレッチ体操をすることは心血管疾患の予防につながる。


◎英語題名:Genital Herpes

◎翻訳題名:性器ヘルペス

◎リンクページ:

◎一言コメント:性器ヘルペスは、日常的な性行為感染症であり、世界的には4億人以上が罹患している。単純ヘルペスによる感染で生涯にわたって感染し、周期的に再活性化する。初期感染症状としては、不快感発熱、リンパ節腫が挙げられる。再感染はより症状は軽症であることが多い。また無症状でウイルスを伝播することもありうる。HSV-1とHSV-2は見分けることは困難であるが、その後のマネージメントにおいて違いが生じる。HIV陰性の患者においては治療を行うことはパートナーの感染を減少させる。性器ヘルペスの既往がある方においては、妊娠36週から出産までの抗ウイルス薬の予防的投与が推奨される。アクティブな病変を持つ患者においては、新生児ヘルペスを予防するため帝王切開が推奨される。


◎英語題名:Diagnosis and Management of Ovarian Cancer

◎翻訳題名:卵巣癌の診断と治療

◎リンクページ:

◎一言コメント:卵巣癌は婦人科領域の腫瘍の中では最も致死的である。5年以上生存するのは罹患患者の半数以下にとどまる。すべての世代の女性に罹患しうるが、最も起きやすいのは閉経後である。初期症状は、起きにくく起きたとしても非特異的なたま75%以上の患者が進行癌の形で発見される。リスクファクターとしては、加齢と卵巣癌および乳癌の家族歴である。卵巣癌の症状だと不安がある患者には、経腟的なエコー及びCA125の測定を行うことが望ましい。初期段階での診断が難しいのにもかかわらず、ガイドラインでは平均以上のリスクをもつ女性に対しては、骨盤の診察を含めた卵巣癌のスクリーニングを行うべきだとしている。BRCAなどの遺伝子異常がある女性に対しては、両側卵巣摘出がリスクを軽減するために用いられるかもしれない。プライマリケア医としては、術後の患者のケア及び末期ステージに関わることが重要である。


<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>

参加者17人 H27.7.4現在

飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)

佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)

玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)

松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、

加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

2016年9月14日水曜日

September 14, 2016 at 01:10PM

ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトスタッフの杉谷です。 9月4日(日)に秋田大学で開催された勉強会の報告を頂きましたので紹介します!! 報告書を作ってくださった吉羽さん、有難うございました!   *********************************************************************** やってみよう?多文化ヘルスプロモーション!~文化が異なる地域での検診受診のすすめかた~   【日時】2016年9月4日(日) 9:30~12:00   【場所】秋田大学医学部 本道会館   【講師】 岡崎 寛子 久地診療所 清田 実穂 あさお診療所 勝又 聡彦 あさお診療所 里井 義尚 久地診療所 高木 博 セツルメント診療所 仲野 惟 佐久病院 民部 貴士 川崎協同病院   【参加人数】17名(医学生16名、初期研修医1名)   【主催】秋田大学医学科 学生有志   【共催】日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト   【WS内容】  最初に佐久病院の仲野先生より、家庭医とは、というテーマでレクチャーをしていただきました。定義に加え、先生のおばあさまの症例を例に挙げ、家庭医の総合的な視点、そして予防的介入の可能性についてお話をしていただきました。  続いて、今回のメインテーマである多文化ヘルスプロモーションのワークが行われました。子供の予防接種のためにやってきた母親たちに乳がん検診受診を勧めるのですが、富裕層も多く住む山診療所と、生活保護世帯が多い海診療所では、まったく状況が違います。そのふたつのロールプレイを実際に先生方がしてくださり、それぞれの母親にどのような言葉をかけて説得すれば乳がん検診を受けてもらえるのかを学生がグループで話し合い、発表しました。  次に、岡崎先生よりヘルスプロモーションについてのレクチャーがありました。坂道の図の動画などを用い、ヘルスプロモーションには個人の背中を後押しする活動と、坂道の傾斜を緩くしてあげるための活動があるということを教えていただきました。その後、個人ではなく全体へのヘルスプロモーションを行うにあたって、家庭医としてどのような介入ができるかをグループで話し合い、発表しました。    ワーク終了後には、座談会が行われました。   1.家庭医になるには?   2.病院家庭医と診療所家庭医の違い   3.家庭医って何をしているの?   4.フリー の4つのテーマを設け、学生はそれぞれ興味があるテーブルに座り、先生方と自由に話すという時間でした。
http://ift.tt/1Ij45a9

September 14, 2016 at 01:06PM

ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトスタッフの杉谷です。 7月23日(土)に琉球大学で開催された勉強会の報告を頂きましたので紹介します!! 報告書を作ってくださった知念さん、有難うございました!   *********************************************************************** 第4回 総合診療のことびんちょ~さびら ―ちょっとお話KSK(聞かせてください)-   【日時】2016年7月23日(土) 【場所】琉球大学 医学部 【講師】 本村和久先生 沖縄県立中部病院 総合内科 新里敬先生 社会医療法人敬愛会中頭病院 感染症・総合内科   【参加人数】29名(医学生21名、その他医師1名、その他1名)   【主催】琉球大学医学科 学生有志   【共催】日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト   【WS内容】 テーマ『問診!!』   【目的】  総合診療医の立場での患者さんへの接し方や問診方法など、実際に模擬患者さんへの問診などを通して体験してもらい、患者さんを総合的に診るとはどのようなことなのかを学ぶ。   【方法】  実際に総合診療の分野で活躍されている先生方を講師としてお招きし、講演とケーススタディの2本立てで進行していく。ケーススタディは、『問診』を重要視したものを提示していただき、低学年からでも参加しやすい内容を考慮する。参加者に問診を実際に取ってもらう形式。 模擬患者役は先生にお願いした。   【報告】  新里先生と本村先生の講演&ケーススタディに関して参加者に対しアンケートを行った。結果では、本村先生の講演については「大変勉強になった」が73%、「勉強になった」が27%であった。本村先生の講演については「大変勉強になった」が73%、「勉強になった」が27%であった。新里先生の講演についても「大変勉強になった」が74%、「勉強になった」が26%であり、参加者の満足度の高い勉強会となった。
http://ift.tt/1Ij45a9

2016年9月3日土曜日

September 03, 2016 at 10:52AM

ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトスタッフの杉谷です。 3月13日(日)に東海大学で開催された勉強会の報告を頂きましたので紹介します!! 報告書を作ってくださった濱井先生、有難うございました!   *********************************************************************** 1からわかる総合診療・家庭医療 ~現場での実践とキャリア~   【日時】2016年3月13日(日) 14:00-18:00   【場所】東海大学医学部(伊勢原キャンパス)医学部   【講師】 小宮山学 ありがとうみんなファミリークリニック平塚 早坂啓伸 ありがとうみんなファミリークリニック平塚 宮坂晋太郎 東海大学医学部付属病院 総合内科 濱井彩乃 森の里病院 内科/亀田ファミリークリニック 家庭医診療科 金城謙太郎 森の里病院 総合診療科/亀田総合病院   【参加人数】21名(医学生20名、その他医師1名)   【主催】東海大学医学部付属病院 総合内科   【共催】日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト   【WS内容】  新専門医制度では19番目の専門医として「総合診療医」が認定される予定です。楽しく・わかりやすくをモットーに、総合診療・家庭医療を1から知ることができるワークショップを東海大学で開催しました。短時間で様々な切り口からのセッションが行われ、盛りだくさんの会となりました。 セッション① 家庭医「超」入門(ありがとうみんなファミリークリニック平塚 小宮山学)  家庭医とは何か?実際の現場での働きぶりを紹介しながら、家庭医の概念的な部分までわかりやすく噛み砕いて伝えるレクチャーとなりました。 セッション② 「家で過ごす」を支えたい ~訪問診療の実際~(ありがとうみんなファミリークリニック平塚 早坂啓伸)  訪問診療はどんな患者さんに行われるの?ケースを元に、患者さんの希望を支える訪問診療の実際、おもしろさ・やりがいを伝えるセッションでした。 セッション③ Dr.Gに挑戦!(東海大学総合内科 宮坂晋太郎 他)  小グループで鑑別診断をあげてディスカッションしながら、診断学を用いて患者さんの病に迫るおもしろさ、難しさ、奥深さを実感することができるセッションでした。 セッション④ スポーツ医学と家庭医って相性抜群なんです(森の里病院 濱井彩乃)  家庭医のスキル・役割が実はスポーツ医学の現場でもとても役立ちます。スポーツドクターに興味を持つ学生さんも多く、興味が深まるセッションでした。 セッション⑤ 家庭医・総合診療医のキャリアを考える(森の里病院 金城謙太郎  制度が変革の時期を迎える中、どのように考えてキャリア選択をしていけばよいのか?新制度での研修内容などを紹介しながら、学生にとってはこれからを考える良い機会となりました。    懇親会でも多くの医学生が参加して交流が行われ、賑やかな会となりました。
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2016年8月30日火曜日

表題翻訳プロジェクト American family physician 2015年12月1日号(飯島研史)

表題翻訳プロジェクト American family physician 2015年12月1日号(飯島研史)
海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。
●雑誌名:American Family Physician ; 2015年12月1日号
翻訳者:飯島研史
Articles
◎英語題名:Treatment of Allergic Rhinitis
◎翻訳題名:アレルギー性鼻炎の治療
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760413
◎一言コメント
アレルギー性鼻炎はありふれた呼吸器疾患であり、QOLや生産性に影響を与えるだけでなく、喘息等の他疾患を増悪させうる。治療は、患者の年齢と症状の重症度に基づくべきである。患者は、自分の病状について教育され、既知のアレルゲンを避けるよう助言される。コルチコステロイドの鼻腔投与は最も効果的な治療であり、QOLに影響する症状の存在に対するfirst
line治療であるべきである。コルチコステロイド鼻腔投与にも反応しないさらに重度の疾患では、抗ヒスタミン薬、充血除去薬、クロモグリク酸、ロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻洗浄などの非薬物的治療といったsecond
line治療がなされるべきである。皮下または舌下の免疫療法は、通常の治療で症状を十分にコントロールできないときや患者がアレルギー性喘息の際に考慮されるべきである。防ダニ素材のマットレスや枕カバーの使用、母乳、空気濾過システム、乳児期の離乳食の延期や小児期のペット暴露の延期などは、支持するエビデンスがない。
◎英語題名:Newborn Respiratory Distress
◎翻訳題名:新生児呼吸急迫
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760414
◎一言コメント
呼吸急迫の新生児は一般的に、呼吸数60/min以上の多呼吸を呈する。呻吟や陥没呼吸、鼻翼呼吸、チアノーゼなどを呈することもある。一時的な新生児多呼吸を含めた一般的な原因としては、呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、肺炎、敗血症、気胸、新生児遷延性肺高血圧症、delayed
transitionがある。先天性心疾患、気道奇形、先天的代謝異常はより少ない。初期評価は詳細な病歴と身体診察である。医師は、バイタルサインをモニターし、SpO2を測定し、血液ガス測定を考慮する。胸部レントゲンは診断に役立つ。血液培養、血算、CRPの測定は敗血症の評価に有用である。呼吸急迫となった新生児のほとんどは、呼吸の補助や非侵襲的な方法で治療が可能である。酸素は、バッグマスク、鼻カヌラ、酸素フード、nasal
CPAPで投与される。さらに重症なケースでは呼吸器による補助が行われる。新生児は、24時間後から退院までパルスオキシメトリーで重度の先天性心疾患を検査されるべきである。新生児科へのコンサルトは、疾患が医師の技量や慣れたレベルを越えた場合、重症新生児で診断が不明確である場合に推奨される。
◎英語題名:Evaluation of Patients with Leukocytosis
◎翻訳題名:白血球増多症患者の評価
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760415
◎一言コメント
白血球数の上昇には、悪性・良性を含む多くの原因が考えられる。年齢特異的または妊娠に特異的な白血球正常範囲を用いることが重要である。末梢血塗抹を含む全血血算を繰り返すことで、白血球の種類や成熟度、白血球の均一性、中毒性顆粒形成といった有用な情報を得られるかもしれない。白血球分類では、寄生虫感染やアレルギー状態での好酸球増多を示したり、ウイルス性疾患の小児のリンパ球増多が明らかになったりするかもしれない。白血球増多は、特に細菌性の感染症の一般的な徴候であり、医師は他に感染症の徴候や症状を確認する。骨髄の巨大な貯蔵庫と血管辺縁の好中球プールによって、末梢白血球数は特定の刺激後1時間で2倍にもなりうる。急性の白血球増多を引き起こすストレッサーには、外科手術、運動、外傷、精神的ストレス等も含まれる。他の非悪性の原因には、特定の薬物、無脾症、喫煙、肥満、慢性炎症状態などがある。血液学的な悪性疾患を示唆する症状としては、発熱、体重減少、アザ、疲労などがある。悪性疾患を否定できないか、他に疑わしい原因がない場合、血液病専門医や腫瘍専門医への紹介が必要である。
KEEPING UP TO DATE
POEMs
◎英語題名:Some Benefit to Treating Mild Hypertension to Prevent Stroke, CV
Deaths, and Overall Mortality
◎翻訳題名:軽症高血圧の治療は、脳卒中、心血管死、総死亡の予防に、いくらかの利益がある
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760418(No abstract)
◎一言コメント
メタ分析。軽症高血圧の平均5年以上の治療におけるアウトカムを評価。心血管イベント、冠動脈イベント、心不全総数の優位な減少はなし。5年間でのNNTは、脳卒中173(95%CI
108-810)、心血管死95(95%CI 55-1188)、総死亡率99(95%CI
66-273)、心不全は有意差なし、冠動脈イベントは有意差なし。5.6%の患者が副作用のため治療を中止した(NNH36,95%CI
23-75)。信頼区間の幅が大きく、結果の評価には注意が必要。
◎英語題名:Adding Sitagliptin Does Not Reduce or Increase the Risk of
Cardiovascular Outcomes
◎翻訳題名:シタグリプチンの追加は、心血管アウトカムのリスクを増加も減少もさせない。
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760419(No abstract)
◎一言コメント
HbA1c 6.5から8.0の2型糖尿病患者(重症低血糖既往、腎障害患者などは除外)におけるRCT。既存の治療にシタグリプチン50mgを追加。プライマリアウトカムは心血管死、非死亡心筋梗塞または脳卒中、不安定狭心症での入院の複合アウトカムであったが、有意な低下は認めなかった。HbA1c値は、開始4ヶ月後で0.4%低下したが、その後は効果は鈍化した。
◎英語題名:An Oral Appliance Does Not Improve Sleep in Patients with Less
Severe Sleep Apnea
◎翻訳題名:オーラルアプライアンス(口腔器具)は、非重症睡眠時無呼吸患者の睡眠を改善しない。
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760420(No abstract)
◎一言コメント
オーラルアプライアンスとは、下顎を前方に出して気道を確保するマウスピースなどの器具。AHI<30の軽症〜中等症患者96名におけるRCT。正規のアライアンスとプラセボのアライアンスとの盲検比較。日中の眠気や、他の夜間良眠の指標を改善させない。しかし、無呼吸スコア、いびき、足のrestlessnessを減少させる。これらの改善は、毎晩患者の下肢の動き(restlessness)や、大いびきから無呼吸に至る不規則な呼吸に耐えてきたベッドパートナーにとって価値があるかもしれない。
◎英語題名:CCTA and Radionuclide Stress Testing Similar for Evaluation of Chest Pain
◎翻訳題名:胸痛患者の評価において、CCTAは、放射線核種のストレステストと同等である。
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760421(No abstract)
◎一言コメント
非盲検のRCT。一次アウトカムは、イメージングから1年以内の血行再建につながらない心臓カテーテルの割合である。2群間に有意差はみられなかった。サブグループ解析では異なった結果となった。CCTAグループで、血行再建を伴わないカテーテル検査が少ない傾向があった(25%vs52%)。2次アウトカムは、入院日数、主要有害心血管イベント、その後の再診(再入院や更なるイメージングを含む)であった。CCTAグループは、放射線暴露が少なく、患者の体験もよいと報告された。
Practice Guidelines
◎英語題名:AHA/ACC/ASH Release Guideline on the Treatment of Hypertension and CAD
◎翻訳題名:高血圧とCADの治療ガイドライン
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760422(No abstract)
◎一言コメント
なし
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<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
若手部会からの自発的なプロジェクトです。
全ての家庭医・総合診療医に最新の情報を。
・他人を批判しないで、建設的な意見を言える人
・家庭医療・総合診療が好きな人
この2つが参加条件です。
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)、佐々木隆徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)、玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)、松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

2016年7月24日日曜日

July 24, 2016 at 12:44AM

ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトスタッフの杉谷です。 7月23日(土)に琉球大学で開催されるセミナーを紹介します!! ぜひご参加ください。   *********************************************************************** 第4回 総合診療のことびんちょ~さびら!「ちょっとお話KSK(聞かせてください)」~問診について学ぼう~   総合診療勉強会、ついに第4弾です(*^^*) ケーススタディのテーマはずばり「問診」‼︎ 実際に模擬患者さんへの問診を体験して、総合診療に求められる患者さんへの接し方や問診方法を学んでいきましょう☆ 講演では、患者を「総合的に診る」とはどういうことなのか、総合診療のやりがい・苦労話、などなど本音トークを聞かせて頂く予定です! 臨床の勉強が始まっていない低学年生も楽しめる内容です!低学年から高学年まで全学年のみなさんの参加をお待ちしています\(^o^)/ 学生だけではなく、医療関係の先輩方のご参加もお待ちしています!   【日時】2016年7月23日(土) 13時開始 (12時半開場) 【場所】琉球大学医学部医学科 臨床講義棟2階 大講義室 【プログラム】 12:30 開場 13:05~13:55 講演①  『立ち枯れのジェネラリストが語る 努力はこうも徒労におわる? 〜総合診療編〜』  沖縄県立中部病院 総合診療科 本村和久 先生 14:00~15:00 症例①「先生、喉が変です」 15:10~16:00 講演②  『「総合的に」考える臨床医を目指して』  中頭病院 感染症・総合内科 新里敬 先生 16:05~17:05 症例②「先生、お腹がいたいです」 17:05~17:15 質疑応答 17:15~17:30 閉会・写真撮影 18:00~ 懇親会 (@大学周辺)   【主催】琉球大学医学部 「総合診療のことびんちょ〜さびら」 【共催】日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト 【お問い合わせ】 参加希望の方は①所属(琉球大学の場合は学部学年)②氏名③懇親会参加の有無をFacebookにて★7/15(金)★までにお返事下さい。 たくさんの皆様の参加をお待ちしております*\(^o^)/*
http://ift.tt/1Ij45a9

2016年6月30日木曜日

【代表 藤谷より重要なお知らせ】 <日本プライマリ・ケア連合学会若手医師部会の今後について>

 2004年に若手家庭医部会として、有志の会として始まった若手医師部会は、これまで12年の長きにわたり、多くの活動をし、プライマリ・ケアの発展に寄与してきました。そして、時代の流れと共に、総合診療を取り巻く環境は大きく変化しております。それに合わせ、若手医師部会も体制を変えていく必要があり、2016年6月12日に第7回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会内で開かれました若手医師部会総会にて、若手医師部会は発展的解散をし、日本プライマリ・ケア連合学会の公式組織である専攻医部会と専門医部会若手医師部門に移行することになりました。今後は、家庭医療専攻医は専攻医部会として、その他の若手世代は専門医部会若手医師部門として活動していきます。
 学会の公式の組織となることで、社会や若手医師の現状に即した、より効果的な活動をしていきます。
 今後も、プライマリ・ケアの発展のため尽力して参りますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。

日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 2016年総会報告

日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 2016年総会報告書をアップします。
https://www.dropbox.com/s/to7aj83dekbc7dz/160612_generalmeeting_report_6Y-JPCA_final.pdf?dl=0

2016年6月27日月曜日

表題翻訳プロジェクト American family physician 2016年4月1日号(本郷 舞依)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします

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 ●雑誌名:American Family Physician;April 1, 2016(翻訳者 本郷 舞依)
 ●Articles
 ◎英語題名:Common Questions About Recurrent Urinary Tract Infections in Women
 ◎翻訳題名:女性の再発性尿路感染症(UTI)に関する一般的な質問
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035041
 ◎一言コメント:
 再発性UTIの定義は一般的に12ヶ月以内に3回以上または6ヶ月以内に2回以上繰り返すUTIとされ、典型的には同じ菌種による再発である。閉経前の女性での危険因子は週に3回以上の性行為、殺精子剤の使用、新規または複数のセックスパートナー、15歳以前にUTI歴があることで、閉経後の女性では主にエストロゲンの低下がリスクになる。再発性UTIの典型的な症状は排尿障害、頻尿、残尿である。複雑感染症や他の疾患を示唆する病歴や身体所見を見つけることは、追加の評価を保証する。少なくとも一つの症候性のエピソードは尿培養によって診断や推奨治療を確定されるべきだ。抗菌薬の短期投与も長期投与も同様に有効である。

 ◎英語題名:Prevention and Treatment of Drowning
 ◎翻訳題名:溺水の予防と治療
 ◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035042
 ◎一言コメント:アメリカでは1~4歳の小児の溺死が年間4000例発生している。世界保健機関(WHO)は「沈水(submersion)、浸水(immersion)で呼吸障害が生ずること」と溺水を定義している。米国心臓協会(AHA)の改訂ウツタイン溺水フォームと治療ガイドラインはケアや質、予後を導く上で重要である。沈水後できるだけ素早い蘇生をすることが良い結果に繋がる。溺水による不整脈はほぼ低酸素によって起こるので、蘇生は気道と呼吸の確保が最優先で圧迫の前に行う。そして予防は最善の治療である。教育、水泳と水の安全についての授業、適切なプール柵は特に2~4歳の小児に対して最もエビデンスのある有用な介入である。また飲酒は溺水の危険性を劇的に増加させるので、禁酒は推奨される。

 ◎英語題名:Common Questions About Oppositional Defiant Disorder
 ◎翻訳題名: 反抗挑戦性障害(ODD)に関する一般的な質問
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035043
 ◎一言コメント:ODDの病因は明確になっていないが、多くの専門家は生物学、心理的、社会的な問題を元にした複数のリスク要因の累積効果で発症すると考えている。DSM-5のODD診断基準は、怒りやイライラした感情、理屈的あるいは反抗的な行動、執念深さといった特徴が少なくとも4つ存在し、6ヶ月間持続しなければならない。ODDの診断ツールは特にないが、様々なツールを使い他の精神状態を評価することで診断に役立つ。しばしばODDはADHD、行動障害、不安や抑うつなどの気分障害と併存する。子供および家族への行動療法がODDの症状を改善する。医薬品はODDの第一選択治療として推奨されていない。しかし併存疾患を薬で治療することでODDも改善する可能性はある。ODDの通常経過は十分定義されていない。社会的スキル改善、紛争解決、アンガーマネジメントといった就学前の子供へのプログラムは、ODDのリスクを減らすことができる。

 ●Departments
 Cochrane for Clinicians
 PUTTING EVIDENCE INTO PRACTICE
 ◎英語題名:Pilates for the Treatment of Low Back Pain
 ◎翻訳題名:腰痛治療のためのピラティス
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035039
 ◎一言コメント:慢性腰痛の患者において、認定講師によるピラティスエクササイズが痛みを改善し、障害を減らすという低~中等度の質のエビデンスがある。ただ、腰痛の治療のためにピラティスが他の運動よりも優れているかどうかは不明である。副作用は稀である。(推奨度B:患者志向のエビデンスで一貫性はなく質は限定される)

 Cochrane for Clinicians
 PUTTING EVIDENCE INTO PRACTICE
 ◎英語題名:Impact of Antenatal Dietary Education and Supplementation on Maternal
 and Infant Health Outcomes
 ◎翻訳題名:妊産婦と乳幼児の健康上のアウトカムに対する出産前の食事教育やサプリメントの影響
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035040
 ◎一言コメント:出産前の食育は、栄養不良の女性において早産率を低下させ、乳児の出生時体重を増加させる。妊娠中の女性にバランスの取れたエネルギーとタンパク質のサプリメントを提供することは、死産や低出生体重児、早産児のリスクを減らす(NNT=28)。高タンパクのサプリメントの使用はあらゆるアウトカムを改善しないし、胎児への害を引き起こす可能性がある。食事教育もサプリメントも母体のアウトカムに影響は与えない。(推奨度B:患者志向のエビデンスで一貫性はなく質は限定される)

 FPIN's Help Desk Answers
 ◎英語題名:Nonpharmaceutical Treatment of Anxiety in Institutionalized Older
 Adults
 ◎翻訳題名:施設入所の高齢者における不安の非医薬品治療
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035044
 ◎一言コメント:高齢者における不安治療には認知行動療法(CBT)またはリラクゼーショントレーニングの単独あるいは組み合わせ使用がよい。また音楽療法は高齢者の不安を減少させるのに使われうる。施設介護者が適切に訓練を受けていることも高齢者の不安を減らす。

 Practice Guidelines
 ◎英語題名:AHA/ATS Release Guidelines on the Diagnosis and Treatment of
 Pediatric Pulmonary Hypertension
 ◎翻訳題名:AHA/ ATSが出した小児肺高血圧症の診断と治療についてのガイドライ
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035048
 ◎一言コメント:最初の肺高血圧症の診断は、病歴、身体診察、診断検査と心機能の正式評価を組み合わせて行うべきである。心エコー検査はスクリーニングおよび定期検査の推奨ツールであり、さらに臨床状態および治療の変化を評価するために実施されるべきである。心不全のために使われる従来の治療法はまた右心室不全を治療するためにも使用される。重度の肺高血圧症の患者には、競技スポーツに参加しないよう勧める必要がある。

 POEMs
 ◎英語題名:Best Approaches to Physical Diagnosis of Acute Red Eye
 ◎翻訳題名: 急性眼充血の身体的診断へのベストアプローチ
 ◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035045
 ◎一言コメント:
 急性眼充血の患者で、瞳孔の収縮を介した羞明と1mm以上の瞳孔不同があれば、重篤な眼疾患(ブドウ膜炎、角膜炎、角膜剥離、強膜炎など)であることを意味し適切な紹介を必要とする。朝の目脂の欠如は細菌性結膜炎を除外する良い方法だが、しかし本研究では一貫して抗生物質治療のために細菌がもたらす症状や徴候は特定していない。(エビデンスレベル2a−)

 POEMs
 ◎英語題名:Useful Signs and Symptoms of Severe Intracranial Injury After Minor
 Head Trauma
 ◎翻訳題名:軽微な頭部外傷後の重度頭蓋内損傷を診断するのに有用な徴候と症候
 ◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27035046
 ◎一言コメント:軽微な頭部外傷後の重度頭蓋内損傷のリスクがある成人を特定するには、個別のリスク、臨床徴候、症状が有用である。The
Canadian CT Head Rule と New Orleans
Criteriaに当てはまらない成人は重度頭蓋内損傷のリスクが低いと判断できる。(エビデンスレベル=1b)

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>
参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、今藤(根津診療所)
佐々木隆 徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)
玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)
松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、
加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)

2016年6月9日木曜日

表題翻訳プロジェクト American family physician 2015年12月15日号(内堀善有)

海外家庭医療雑誌/ 表題翻訳プロジェクト副代表&投稿担当の内堀 善有(名張市立病院総合診療科)と申します。
マルチポストにて失礼します。
尚、本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が 含まれており、詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。


AAFP 2015 December 15

●雑誌名:American family physician 2015年12月15日号

Articles

◎英語題名:Nonpharmacologic Management of Chronic Insomnia
◎翻訳題名:慢性の不眠症の薬物療法以外のマネジメント
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760592
◎一言コメント:不眠症は、人口の10-30%に影響を与え、925億-1075億ドルのコストが、かかっている。

不眠症は、睡眠障害国際分類第3版では、3つの主なカテゴリーに分けられる。
不眠症の診断の基準としては、入眠障害、睡眠の維持の障害、早朝覚醒がある。

不眠症の定義は、Table.1に記載あり。Choosing wisely campaignからは、アメリカ睡眠医療学会から、
慢性の不眠症に対しては、初期治療として、睡眠導入剤の使用は、避けることが、推奨されている。

また、認知行動療法を提供も推奨されている。また、アメリカ老年医学会は、不眠症、せん妄等に対しての初期治療として、

ベンゾジアゼピンや他の鎮静作用のある睡眠薬の使用をしないよう推奨している。

Figure1に、不眠症のマネジメントのプロトコルの記載がある。


◎英語題名: Management of Sickle Cell Disease: Recommendations from the2014 Expert Panel Report
◎翻訳題名:鎌状赤血球症のマネジメント:2014年のエキスパートパネルレポートからの推奨
◎リンクページ:http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1069.html
◎一言コメント: 家庭医は、鎌状赤血球症の家族の初期もしくは、唯一のヘルスケアのリソースとなることがある。

最近、出版されたガイドラインは、健康の維持、急性期のケア等の重要な推奨を与えている。

最も重要な診療活動のこの概略のハイライトは、コミュニティケアセッティングで、実行可能かつ実行すべきであることである。
鎌状赤血球症の子供は、生後から少なくとも5歳になるまでは、予防的にペニシリン投与をうけるべきである。

また、鎌状赤血球症の全ての人が、侵襲性の肺炎球菌感染症を予防するために、ワクチン接種を受けるべきである。

9か月以上の鎌状赤血球症の子供は、ハイドロキシウレア治療を勧めて、使用することをサポートすることに、強いエビデンスがある。</div>

なぜなら、ハイドロキシウレアは、限定的な副作用のみで、血管閉塞や急性の胸部症候群を減らすことができるからである。


◎英語題名:Evaluation of the Solitary Pulmonary Nodule
◎翻訳題名: 孤立肺結節の評価について
◎リンクページ:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760594
◎一言コメント:孤立肺結節は、放射線医学的な画像でよく認められる所見である。
度々、偶然、発見され、確定診断に向けてのワークアップが必要となるかもしれない。
孤立性肺結節は、境界明瞭な円形の3cmまでの領域で、空気に満ちた肺によって囲まれている。
結節が、一旦見つかると、診断的かつ放射線医学的な特徴と量的なモデルが、悪性の可能性を決めるのに用いられる。
評価は、結節の大きさと悪性の確立のアセスメントによって、導かれる
外科的切除や非外科的な生検は、連続的な画像評価ではっきりと増大を示している充実性もしくは、

一部が充実性の孤立性肺結節を認める患者に行われるべきである。
少なくとも2年は安定している充実性の孤立肺結節は、典型的には 、更なる評価は、必要ではない。

充実性の孤立肺結節のマネジメントが、直径に応じて、Figure.2にまとめられている。


Departments
KEEPING UP TO DATE
U.S. Preventive Services Task Force
◎英語題名: Screening for Iron Deficiency Anemia in Young Children:
Recommendation Statement

◎翻訳題名:幼児における鉄欠乏性貧血のスクリーニングの推奨ステートメント
◎リンクページ: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26760600
◎一言コメント: USPTF(米国予防医学専門委員会)は、6から24か月の乳幼児に対して、現在のエビデンスでは、

鉄欠乏性貧血のスクリーニングは、有益と有害のバランスを評価不十分であると結論付けた。
1歳から5歳までの乳幼児における鉄欠乏性貧血は、米国で、約1-2%である。
鉄欠乏性貧血に対して、ヘモグロビンの測定が、感度は高いが、特異度が低く、乳幼児期の貧血の大多数は、鉄欠乏性貧血によるものではなかった。


Practice Guidelines

◎英語題名: ACP Releases Best Practice Advice on Screening for Cervical Cancer

◎翻訳題名:子宮頸癌のスクリーニングにおいてのACP(米国内科学会)のベストプラクティス発表について
◎リンクページ: http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1107.html
◎一言コメント: キーポイント)HPVテストなしでの細胞診は、21歳から開始し、3年毎に施行されるべきである。

HPVテストを伴う細胞診は、30歳から開始し、5年毎にされるべきである。

スクリーニングは、3回の連続した細胞診で陰性であった場合や

過去5年間で最も直近に施行されたテストで2回連続したHPVテストと細胞診が陰性の場合は、65歳で終了すべきである。


STEPS

◎英語題名: Timothy Grass Pollen Allergen Extract (Grastek) for Allergic Rhinitis
◎翻訳題名:アレルギー性鼻炎に対して、チモシー(イネ科の牧草)花粉のアレルゲン抽出液(グラステック)治療について
◎リンクページ: http://www.aafp.org/afp/2015/1215/p1096.html
◎一言コメント: チモシー花粉のアレルゲン抽出液治療(グラステック)は、舌下免疫による治療法である。

5歳から65歳までの結膜炎を伴ったり、伴わなかったりする患者のチモシーによるアレルギー性鼻炎の治療に用いられる。

グラステックは、アレルギー性鼻炎に対して少し改善をもたらす。

注射による脱感作療法をしたくない患者に、アレルギー症状を改善する治療のオプションとなるかもしれない。

確立しているアレルギー治療や皮下注射による脱感作療法と比較は、されていない。

<海外家庭医療・総合医療雑誌 表題翻訳プロジェクト>

参加者17人 H27.7.4現在
飯島(群馬家庭医療学センター)、内堀(名張市立病院)、北本(亀田ファミリークリニック館山)、 今藤(根津診療所)

佐々木隆徳(みちのく総合診療医学センター)、佐々木隆史(こうせい駅前診療所)、武田(喜多方市地域・家庭医療センター)

玉井(台東区立台東病院)、成島(津ファミリークリニック)、廣瀬(国保和良診療所)、本郷(みちのく総合診療医学センター)

松口(原三信病院)、吉田(飯塚穎田家庭医療プログラム)、吉本(筑波大学)、渡邉(福知山市民病院)、

加藤(三重大学)、黒木(みちのく総合診療医学センター)




以上